俺は自由な読書人
東京の篠崎書林が
一九九〇年一〇月一五日の「朝日新聞」朝刊に
「天皇一家、今、”木の本 ” をご愛読!?
自然と木を大切にするお気持ちが、
お買いになる絵本にもあらわれている。
紀宮様が美智子皇后様のお誕生日にプレゼントされた本」
といった宣伝文句の広告を出して
『おおきな木』 S・シルヴァスタイン作
本田錦一郎訳 定価八三〇円
という自社刊行物を売りこもうとしている。
天皇家の権威(?)によりかかって
天皇家の人気(?)によりかかって
本を売ろうなんて
ついにこんな情けない出版社が現れたか。
いい本は
天皇家なんかと関係なしにいいのだ
つまらない本は
天皇家なんかと関係なしにつまらないのだ。
天皇家が買い上げた本だから
天皇家ご用達の本だから
われわれ庶民はありがたがって
それを買えというのか。
いい本なら天皇家が買おうと買おうまいと
買う
いい加減な本ならいくら天皇家が買ったといわれても
買わない
これは当たり前のことじゃないか
それが自由人というものじゃないか
それが読書人というものじゃないか。
卑しい
汚い根性の
篠崎書林よ
腐った出版社よ
もう二度と
こんな広告を出すな。
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